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【 過去のお知らせ : 2015年以前 】

'15.5. 学校アスベスト対策についてのアンケート

中皮腫・じん肺・アスベストセンター事務局長 永倉冬史
  • 1 全国の都道府県にアンケート
  •  2015年5月、アスベストセンターは「自治体の学校施設におけるアスベスト対策についてのアンケート」調査を行いました。このアンケートは、昨年「石綿障害予防規則」が改正されたことに伴い、文科省が全国の学校施設のアスベスト含有レベル2建材の一斉調査を行ったことを受けて行いました。このレベル2建材とは、石綿含有配管保温材、煙突内断熱材、耐火被覆材などです。
     アスベストセンターはアンケートを全国の都道府県1903教育委員会に送付しました。回答数は576教委、30.2%の回答率でした。このうち、文科省の通達を受けレベル2調査を行ったと答えたのは387教委、67.1%にとどまりました。回答されたアンケートの調査対象学校数は7642校、施設数では12076施設になります。そのうちレベル2の疑いがある建材を確認した学校数、施設数はそれぞれ1069校、1405施設にのぼります。また、これらの調査をだれが行ったかを聞いたところ、学校職員もしくは教育委員会職員が調査したと答えた教委が49.2%とほぼ半数に及びました。
     このことから、調査すべきレベル2建材は相当数あると想定されること、レベル2調査を行っていない(すでに調査済みと勝手に判断している)自治体が多くあること、アスベスト調査が専門家による調査ではないものが多いことなどが見えてきました。また、アンケートのご意見の欄には「調査費用が負担になり専門家による調査が発注できない」など、調査費用に関する問題点も浮き彫りになりました。
  • 2 文科省へ要請と協議
  •  7月10日文科省に対して要請と協議を行いました。協議では石綿含有建材調査者による正確な一斉調査が必要である。また、調査費用は文科省が拠出し全国一律に学校の安全が図られる必要がある。などについて議論が交わされました。文科省はこれらについてゼロ回答でした。要請の後アンケート内容と文科省の回答について記者会見しました。
     文科省はレベル2の「特定調査」結果は公表をしないとしていましたが、10月16日調査結果を記者発表しました。発表内容は、「1)石綿の含有の有無にかかわらず、劣化、損傷等がある保温材等を保有する機関、155機関(0.1%)、2)石綿を含有し、劣化、損傷等がある煙突(断熱材)を保有する機関、380機関(0.3%)」としています。
     アスベストセンターの行ったアンケート調査からもわかるように、これらの文科省の発表数は専門家(建築物石綿含有建材調査者)による調査ではないために過小評価である可能性が高く、これらの調査結果に基づいて今後学校校舎等の工事発注、改修・解体工事等が行われた場合、アスベスト粉じんを飛散させるずさんな工事につながりかねないと懸念されます。調査費用の文科省負担への働きかけとともに、学校施設の正確なアスベスト調査の要請を今後も続けていきたいと思います。

'14.7.14 学校の石綿保温材等-文科省が調査を通知-

 2014年7月14日、文部科学省は、「学校施設等における石綿含有保温材等の使用状況調査(特定調査)について(依頼)」を 通知した。 学校現場では吹付けアスベスト除去等の処理はほぼ終わっているが、今年6月1日付で石綿障害予防規則が改正され、新たに 石綿を含む保温材や断熱材、煙突などが規制対象になったことを根拠に調査を指示したもの。内容は、各学校で「目視により、室内等に露出 して設置されている保温材や耐火被覆材等の劣化、損傷等の状況(ばく露のおそれ)について調査」「煙突については、専門家又は専門業者等 に依頼するなどして実施」し、写真で示した調査の実施手順や判断例を参考に、要領に基づき、10月3日までに提出するとなっていた。
 実際の調査に当っては、室内等に露出した保温材等の劣化、損傷状況の見分けが難しいことから専門家に相談したり、応急手当する場合 もあるはずだ。 ところが通知には、どこの専門家や専門業者に相談したらよいか、応急処置時のマスクや保護具の着用や周辺を隔離して表示して おくことをなどの指示もない。これでは応急処置の場合などに、調査する者ばかりか周辺にいる教師や生徒などの建物利用者も石綿ばく露する危険が生じかねない。 神奈川県内では7月30日に県立高等学校等171校の担当者を対象に研修会が実施されたが、講師は公的資格である「建築物石綿含有建材調査者」ではなかった。
 そこで、神奈川労災職業病センターは7月2日、県民のいのちと暮らしを守る共同行動委員会、神奈川県高等学校教職員組合との連名で、神奈川県教育委員会まなびや計画推進課に以下の緊急要請を行った。
     
  •    ◆  ◆  緊急要請  ◆  ◆ 
  •  1 調査する者がマスク、保護具などを着用できるようにすること。
  •  2 劣化、損傷状態にある保温材等には触らず目視だけにして、応急手当する場合は専門家に相談すること。その際、「建築物石綿含有建材調査者」の公的資格をもった者を指定すること。
  •  3 劣化、損傷状態にある保温材等には周辺を隔離し、建物利用者が近寄らないよう表示すること。
  •  4 石綿含有保温材等の危険性について、広く教職員・保護者・生徒に周知すること。
  •  5 本格的な調査の実施にあたっては、「建築物石綿含有建材調査者」の公的資格をもった者を指定し、専門業者による除去を基本とした工法による補修工事を実施すること。
  •  6 早急に、専門家の指示に基づく全校調査を実施し、劣化、損傷状態にある石綿保温材等を除去し、安心・安全な教育環境を整備すること。
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     県教委まなびや計画推進課は、今回はあくまで目視による調査に限ったもので、本格的調査の場合は専門業者に依頼するということだったが、「石綿含有建材調査者」という公的資格があることすら知らなかった。また、高教組は、「学校現場では、教室の床に敷き詰めてある石綿含有pタイルも問題。 この機会に是非調査してほしい」と要請した。 文科省は、今回の予備的調査には集計作業も含め年内いっぱいかかるとのことだった。本格的調査に向けて全国の学校に向けて再度通知を発出し、 吹付けアスベストのときの二の舞にならないように石綿曝露防止を徹底してもらいたい。

'08.3.20 シンポジウム開催
      「石綿健康被害救済法2周年を検証する」

 「石綿による健康被害の救済に関する法律(救済法)」が2006年に施行されてから、3月27日で2周年を迎えます。そこで3月20日午後1時半から東京・全水道会館 大会議室においてシンポジュームを開催し、すべての被害者・家族に公平・平等な補償を実現するためのアスベスト被害救済法の緊急見直しを求めます。 入場は無料です。 多くの方の ご参加をお願いいたします。 

'01.3 写真展「じん肺アスベスト被害」開催

 じん肺・アスベスト被害の根絶という21世紀に向けたメッセージをヨコスカから発信します。

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