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アスベストとは?     ・・・静かな時限爆弾!

アスベスト

アスベストはあなたの周りに

 アスベストが含まれた物は皆様の周りに存在いたします。 「軽く」、「加工がしやすく」、「丈夫で」、「断熱効果」、「火や熱や酸にも強い」魔法の工材と呼ばれ、戦後に入り爆発的に普及しました。 一例でありますが、以下にアスベストを含んだ物を紹介いたします。
  •  A.建物の断熱材として用いられる「岩綿吹きつけ材」(石綿を含んでいないものもある)
  •  B.石綿含有配管
  •  C.工場の屋根などに用いられる「波形スレート」
  •  D.建築物の屋内に断熱材として用いられている「石綿フェルト材」
  •  E.一般の家庭建築物の外壁にも用いられる「サイデイング」
  •  F.ビルなどの天井に用いられる「フレキシブル板 石綿含有」
  •  G.建築物に用いられる床材の「Pタイル」
  •  H.屋根材に用いられる「石綿化粧セメント板」
  •  I.屋内の天井の吸音材として用いられる「岩綿吸音板」(石綿を含んでいないものもある)
  •  J.配管の保温材として用いられる。
  • その他にも・・・
  • <アスベストの主な用途>
  •  ●ボイラー周囲の断熱材
  •   蒸気機関車、鉄道車両、船、発電所、製鉄所、建物の冷暖房
  •  ●排気口の断熱材
  •   家庭用風呂の煙突、ヂーゼルエンジンの煙突
  •  ●建築材料
  •   波形スレート・コロニアル瓦などの屋根材、天井や仕切壁、床タイル、外壁材、鉄骨の吹きつけ
  •  ●その他
  •   水道管、ブレーキの耐摩擦材
  •   

写真の説明

じん肺やアスベスト疾患の症状について

 粉じんを大量に吸い込むと「じん肺」になります。その症状は軽い場合には、ほとんど自覚症状はありませんが、風邪を引きやすいとか、風邪を引くと治りにくいということがしばしば起こります。
 「じん肺」が進んでくると、「咳やタンがでる」「息切れがする」「胸の中でゼーゼー、ヒューヒューといった音がする」等の症状がでるようになります。 「じん肺」になり、繊維増殖性変化を起こした肺を、元の正常な肺に戻す治療法は、現在のところありません。  従って予防をしっかり行い、早期に発見し軽傷のうちに、粉じんのない作業に配置転換することなどが大切です。
  • ■アスベストを吸入してから、平均30年から40年前後の潜伏期間(病気が発症するまでの期間)があります。 アスベストを吸入してから20年~30年間は、自覚症状もなく病変も現れないことがほとんどです。仕事で20~40才代にアスベストに暴露(吸入)された方の多くが、定年までに所見少なく、それ以降に発症する理由は、この潜伏期のためです。
  • ■アスベストにより最初に起こる病変としては、胸膜肥厚、胸膜プラークなどがありますが、自覚症状はほとんどありません。アスベストを吸入した証拠となるもので、治療の必要も治療方法もないものです。しかし、アスベストによる被害を受けたことは間違いない事実ですから、労災補償の対象にならないとしても、加害企業に対する補償を求める運動が進められています。
  • ■アスベストは、発ガン性の高い危険物質で、肺ガンを発症したり、胸膜や腹膜、心膜、精巣鞘膜などに悪性の中皮腫(癌の一種)を発症します。中皮腫は発見するのが大変難しい病気ですので、胸膜肥厚などが発見されたら定期的に検診をうけ、早期に発見することが大切です。そのため健康管理手帳の支給を受け半年に1回無料で健診してもらえる制度もあります。(各県にある労働局に申請する必要があります)
  • ■その他の疾病としては、アスベスト肺(石綿肺とも言いじん肺の1種)、胸膜炎(良性石綿胸水)などがあります。
  • ■病気が進行すると、呼吸困難や胸の痛み等を伴いますので、早期に専門医(呼吸器内科)の診察を受けることが大切です。
  
 アスベストでおきる病気 ⇦ ここをクリックしてください。
出典:名取雄司、『アスベスト読本-造船の街からの警鐘』
じん肺・アスベスト被災者救済基金、1998、10-15ページ

じん肺やアスベストにかかわる仕事をしたかも?

 炭坑や鉱山、トンネル(ずい道)、採石・石材加工、造船や建設などの職場や、その周辺で長く働いてきた方は、大量に粉じんを吸い込んだ可能性があります。 また、ブレーキライニング、自動車車体底部塗装、波形スレート・コロニアル瓦などの屋根材、排気口やボイラー周囲の断熱材の設置、製造業、大工さんや建設業など多業種にわたり、アスベストを吸い込んでいる可能性があります。
 「じん肺」は、粉じんが肺の中にこびりつき、そのために肺の機能が奪われていく典型的な職業病です。 「咳やタンがでる。」、「息切れがする。」、「胸の中でゼーゼー、ヒューヒューといった音がする。」などの症状が見られたら、かかりつけの医師や専門の医師、当基金などにご相談ください。
 また、仕事中に石綿に接触した労働者だけでなく、労働者が持ち帰った作業着等に付いた石綿を吸い込んだ家族なども病気になることがあります。
   

どのような補償がありますか?

 粉じん職場やアスベスト取り扱い職場で働いたことのある方が、じん肺やアスベストによる肺ガン・中皮腫に罹った場合は、労働災害保険法による労災補償(療養補償、休業補償、遺族補償など)の対象になります。  退職後かなりたって発病した場合でも、労災補償を受けられますので、当被災者救済基金にご相談ください。

【 労災認定:じん肺 】
 業務上疾病として補償の対象になるのは、じん肺管理区分が管理4に該当する場合と、管理区分が管理2、管理3と決定された人で合併症と診断された場合、労災補償の対象となります。
 ◆ ◆ じん肺の合併症として認められている病気 ◆ ◆
  • (1)肺結核
  • (2)結核性胸膜炎
  • (3)続発性気管支炎
  • (4)続発性気管支拡張症
  • (5)続発性気胸
  • (6)原発性肺ガン
  • 注:原発性とは、他の臓器のガンからの転移でないもの。
  • 【 労災認定:アスベスト被害 】
     石綿ばく露作業に従事している又は従事したことのある人は、次のような場合補償を受けられます。
    • (1)石綿肺
    • (2)肺がん
    •  ① 石綿肺合併肺がん
    •    石綿肺のレントゲン写真の像が、第1型以上である場合の原発性の肺がん。
    •  ② 石綿肺の所見がない場合の肺がん
    •    原発性肺がんで石綿ばく露作業期間が10年以上あり、
    •      石綿の影響を受けている医学的な所見がある場合。
    •  ③ 上記以外の肺がん
    • *上記①及び②に該当しない場合でも、
    •   短期間に高濃度の石渡ばく露を受けた場合の原発性肺がんは、補償の対象となることがあります。
    • (3)中皮腫 
    •  ①胸膜、腹膜、心膜または精巣の鞘膜の中皮腫
    •    石綿ばく露作業期間が、おおむね1年以上であるか、
    •      又は石綿ばく露を裏付ける一定の医学的所見がある中皮腫。
    •  ②石綿ばく露作業期間が1年に満たない場合でも、石綿ばく露作業の内容、
    •    従事歴、臨床所見などにより認定されることがあります。
    • (4)良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚
    •   石綿ばく露労働者に発症した良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚については、
    •     石綿ばく露作業の内容、従事歴、臨床所見などにより個別に判断されます。
    •  備考:石綿作業による被害の補償内容が2003年9月より改正。 
    •    ・中皮腫認定基準の胸膜、腹膜の他、心膜、精巣鞘膜が追加され、
    •      石綿ばく露期間も5年から1年に短縮されました。
    •    ・また、良性石綿胸水及びびまん性胸膜肥厚が例示されました。
      • 【 労災補償の内容 】
      • (1)療養補償給付
      •   療養費(病院の費用など)の給付。
      • (2)休業補償給付
      •   療養のため労働ができず賃金の支給を受けられないとき、
      •     1日につき給付基礎日額(平均賃金)の60/100に相当する金額。
      •   *退職後でも給付の対象となります。
      • (3)障害補償給付
      •   障害等級に応じて、年金又は一時金が支払われる。
      •   *じん肺の場合は病気が治癒、固定し障害等級を決めることがないため、
      •    この支給を受けることはありません。
      • (4)遺族補償給付
      •   遺族年金又は一時金
      • (5)埋葬料
      •   葬祭のための費用補償
      • (6)傷病補償年金
      •   1年6か月を経過しても治癒せず、
      •     障害の程度が省令で定める傷病等級に該当する場合。
      • (7)介護補償給付
      •   障害補償年金又は傷病補償年金の受給者で、介護を要する場合
      •  *詳細は、当被災者救済基金までお問い合わせください。
          

救済制度はありますか?

 石綿ばく露作業に従事している又は従事したことのある人だけでなく、家族が持ち帰った作業着等に付いた石綿を吸い込んだ場合等でも、病気になることがあります。 仕事以外での石綿による 健康被害は労災補償の対象となりませんが、石綿の作業場等の周辺住民や労働者家族の被災者に対しても「救済給付」が支給されます。
 また、労災補償を受けずに亡くなった労働者のご遺族の方に対しては、「特別遺族給付金」が支給されます。(石綿健康被害救済法:平成22年7月1日改正)
【 救済給付 】
対象:日本国内において石綿を吸入することにより、
(ⅰ)下記の救済給付の対象疾患を発症し、現在療養されている方
(ⅱ)法律施行日及び改正政令施行日*前に、以下の疾患に起因して死亡された方のご遺族。
(ⅲ)法律施行日及び改正政令施行日*の施行後に認定申請をしないで、
   以下の疾患に起因して死亡された方のご遺族。
 *救済給付の対象疾患と法律施行日及び改正政令施行日
  ・中皮腫 平成18年3月27日
 ・肺がん 平成18年3月27日
 ・著しい呼吸機能障害を伴う石綿肺 平成22年7月 1日
 ・著しい呼吸機能障害を伴うびまん性胸膜肥厚 平成22年7月 1日
救済給付の内容
(1)医療費
  医療費の自己負担分
(2)療養手当
  治療費に伴う医療費以外の費用負担に対する給付
(3)埋葬料
  認定患者の葬祭に伴う費用負担に対する給付
(4)救済給付調整金
  医療費と療養手当の合計が特別遺族弔慰金の額に満たない場合
   その差額を被認定者のご遺族に支給する給付
(5)特別遺族弔慰金
  「法施行又は改正政令施行前に指定疾患が原因で死亡した方のご遺族」及び
  「法施行又は改正政令施行以後に指定疾患が原因で死亡した方のご遺族」
(6)特別埋葬料:葬祭に伴う費用負担に対する給付
  「法施行又は改正政令施行前に指定疾患が原因で死亡した方」及び
  「法施行又は改正指令施行以後に指定疾患が原因で死亡した方」
【 特別遺族給付金(特別遺族年金又は特別遺族一時金)】
対象:下記の項目に該当する労働者のご遺族
 ・石綿ばく露作業に従事
 ・石綿を原因とする疾患(中皮腫や肺がん等)により、平成28年3月26日までに死亡
 ・労災保険の遺族補償給付を受ける権利が、時効(5年)によって消滅している
上記のご遺族は、特別遺族給付金(a又はb))支給の対象です。
 a.特別遺族年金  : 特別遺族年金は原則年額240万円
 b.特別遺族一時金 : 特別遺族一時金は1,200万円
 *請求期限は平成34年3月27日です。
 *詳細は、当被災者救済基金までお問い合わせください。
   

「石綿健康管理手帳」

 「石綿健康管理手帳」は石綿を製造し、または取り扱う業務に従事していた 労働者(転職・転職して石綿業務から離れている人も含む)は、将来肺ガンや中皮腫等の健康被害が発症するおそれがあります。 これらの疾患は発症するまでの期間が非常に長いことから、健康管理手帳制度が設けられました。
 健康管理手帳の交付を受けると、健康診断を指定医療機関で6か月に1回、受けることができます(無料)。

◆「石綿健康管理手帳」交付要件◆
  • (1)直接業務・周辺業務に従事した方が対象
  •  ・両肺野に石綿による不整形陰影がある
  •  ・石綿による胸膜肥厚がある
  • (2)次の業務に1年以上従事し、初めて石綿にばく露した日から10年以上経過している方
  •  ・石綿の製造業
  •  ・石綿が使用されている保温材、耐火被覆材等の張り付け、補修もしくは除去業務
  •  ・石綿の吹きつけ業務または石綿が吹き付けられた建築物・工作物等の解体・破砕等の業務
  • (3)直接業務に従事した方が対象
  •  ・上記(2)以外の石綿取り扱い業務に10年以上従事していた方
 注1)直接業務とは、石綿を製造し、又は取り扱う業務
 注2)周辺業務とは、上記(直接業務)と同じ作業場内で石綿を取り扱わない業務
 *詳細は、当被災者救済基金までお問い合わせください。
  

アスベスト相談 Q&A

どこに相談すればよいでしょうか?

  粉じん職場で働いた方で、間質性肺炎あるいは筋繊維症と診断された場合は、じん肺の可能性があります。 また、じん肺特有の症状(咳、痰、息切れ、呼吸困難、動悸を起こす) が出ていて補償を受けたい場合や、「肺が汚れている」「じん肺」と医者から言われたが、それ以上なにも言われないので、どうしたらいいのだろうか? といった場合には、当被災者救済基金にご相談ください。
 信頼すべきかかりつけの医師がいる場合は、なるべく早く診察、相談を受けてください。  そういう医師がいない場合は、各地域の労働災害センターや、じん肺を専門としている医師の診断を受けて下さい。
  

専門の医師は何処にいますか?

 厚生労働省ホームページ掲載の 「石綿健康診断を実施している機関 」をご参照の上、各機関にお問い合わせください。

  

◆ じん肺・アスベスト被災者救済基金と提携している医療機関 ◆
  • ★横須賀中央診療所
  •   住 所 神奈川県横須賀市米が浜通1-18-15
  •   電 話 046(823)8691
  •   FAX 046(823)9591
  •  (*電話にて予約の上受診 担当者:安元)
  • ★港町診療所
  •   住 所 神奈川県横浜市神奈川区金港町7-6
  •   電 話 045(453)3673
  •   FAX 045(441)0747
  •  (*電話にて予約の上受診 担当者:早川)
  • ★十条通り医院
  •   住 所 神奈川県大和市南林間8-23-8
  •   電 話 046(274)5884
  •   FAX 046(273)9140
  •  (*水曜日休診日になります)
  • ★ひらの亀戸ひまわり診療所
  •   住 所 東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル2階
  •   電 話 03(5609)1823
  •   FAX 03(5609)1886
  •  (*名取医師の「悪性胸膜中皮腫・じん肺・アスベスト(石綿)関連疾患 外来」は予約制です。
      第2・第4木曜日午後以外に、月・金曜日の午前午後の特別枠で受け付けています。
      予約FAXでお申し込みください。折り返し、予約決定日をご連絡致します。)
     
       

じん肺やアスベスト疾患と診断されたら

【じん肺と診断されたら】
①  各都道府県の労働局に申請して、管理区分決定を受けてください。
 (在職中に管理区分2以上の決定を受けており、その証明書がある場合は必要ありません。)
② 以下の管理区分に該当する場合は、労災補償が受けられます。
  働いていたところを管轄する 労働基準監督署に申請してください。
 ・管理区分4の決定を受けた方
 ・管理区分2あるいは管理区分3イ、3ロの決定を受けた方で、
  以下の合併症を併発
  (1)肺結核
  (2)結核性胸膜炎
  (3)続発性気管支炎
  (4)続発性気管支拡張症
  (5)続発性気胸、
  (6)原発性肺ガン
   注:原発性とは、他の臓器のガンからの転移でないもの
【アスベスト疾患(悪性中皮腫、肺ガン、胸膜炎など)と診断されたら】
① 労災補償を受けられる可能性があります。
  ⇒ 働いていたところを管轄する 労働基準監督署に申請します。
② 環境暴露の場合
 ・アスベスト工場の近くに住んでいて被災した場合
 ・個人事業主で労災保険に加入していない場合など
  ⇒ 石綿健康被害救済法により救済を受けられる可能性があります。
  ⇒ 独立行政法人環境再生保全機構、 あるいは保健所に申請します。
 *詳細は、当被災者救済基金までお問い合わせください。
   

補償の申請について

 肺がん(原発性)や中皮腫等を発症し、それらが業務により石綿にさらされたことが原因であると認められた場合には、労災保険給付を受けることができます。  また、労災保険の遺族補償給付の支給を受ける権利が時効(5年)により消滅したご遺族の方は、特別遺族給付金を受けることができます。
 当被災者救済基金では、『各種申請の代行』も受け付けております。
     お気軽にご相談ください。  当基金の電話、FAXはともに(046)827-8570、(046)866-5516(追浜分室)となっております。

☆全国労働基準監督署の所在案内☆ 

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